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横浜の港南エリアの高台の閑静な住宅街に建つ、この家。
今は、もう取り壊されて、新しい家が建てられ始めている。 ![]() この家の主である I さんは、実は、もう10年間、この家を留守にしている。 築5年のこの家を購入したのが20年前。その時は、しばらくこの家に住んで、定年になったら建て直そうと思って、この家を買ったそうだ。 大好きなテニスのコートも近くにあったので、地域のテニス仲間もでき、金城の人たちとも親しくなっていった。 ところが、サラリーマンだったI さんは、後に、九州への異動を命じられた。 そのうちに九州の生活に慣れて、定年後に向けて、九州に土地を買って家を建てようと考え始めて、福岡のフォルツァの青木さんに相談していた。 ところが、突然、広島転勤を命じられる。九州で定年を迎えて九州で再就職する、という構想が破られて、九州で家を建てることを断念せざるを得なくなった。 その時に思い出したのが、20年前の約束。 定年の時に、横浜の家を、自分が住みたい家にすべく、建て直そう、という想い。 運命に引き寄せられるように、横浜に帰ってきた I さん。 私は、福岡のフォルツァから引き継がれて、 I さんの家づくりをサポートすることになった。 家づくりは大金を出資するものだから、無理してするものではない。 決して無理をしてはいけない。 Ⅰさんは、自然の流れの中で、10年前に住んだ家を、建て替えることになったのである。
この家づくりのブログは、家の解体の話から始まることとなる。
![]() 私が生まれ育った家は、今、建てられてから58年を経て、解体されようとしている。 私が生まれる前から建っていた家である。 日本の一般的な家の寿命からみれば、約2倍の長寿を生きてきた家ではある。 しかし、こうして解体を前にすると、悲しい気持ちがこみ上げてくる。 せめて、人間の平均寿命までは、生きさせてあげたかったと。 人は誰も、人間に対しては、少しでも長生きさせるために、あらゆる努力を惜しまない。 しかし、ほとんどの人は、家については、まだまだ生きられるのに、平気で建て替えようとする。 日本人の平均寿命85歳。 それに対して、日本の家の平均寿命27歳。 家は、実に、人の3分の1しか生きられない。 住宅業界や、建築基準法は、 本当はまだまだ生きられる家を、 地震が来たら危ないとか、ライフスタイルに合わないとか、 何だかんだ言って、百年住宅に建て替えさせようとする。 しかし、そういう経緯で建てられた家が、 百年生き続けるとは、到底考えられない。 物理的に百年もつはずであることと、実際に百年使われ続けることとは、全く別の話である。 安易に家を建て替えていくことが、決していいこととは思えない。 この家についても、無論やむをえない理由はある。 が、 まだ生きられる家を、こうして解体してしまうことに、 やはりやましさを感じずにはいられない。
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